猪目(いのめ)について
今回は当事務所の屋号に用いている猪目(いのめ)についてお話したいと思います。
みなさま猪目(いのめ)とは何かご存じでしょうか?お寺や神社などの仏閣やお城にある「ハート型」です。
実はこれ、ハートではなくイノシシの目、「猪目」という文様なんです。なぜイノシシの目なのか?どんな意味や由来があるのか?について解説をしていこうと思います。
猪目の意味は?
ハートではなく「猪目(いのめ)」
これは日本古来から伝わる「猪目(いのめ)」と呼ばれる文様です。猪目は日本古来より魔除けや福を招く護符の意味合いがあり、伝統的な日本建築には必ずと言っていいほど使われています。
例えば懸魚(げぎょ)という屋根の合わさった場所にあったり、仏具や飾り金具という木のつなぎ目を隠す金属の装飾にあります。
古墳時代から遺跡・遺物に見られる「猪目」
「猪目」は獣である猪の目をモチーフにすることで魔除けになっているという説や、イノシシの目がハートに見えるからハートの形になっている説、中国が起源で飛鳥・奈良時代に仏教と共に日本へ伝わったとされる説など様々です。お釈迦様が菩提樹の下で悟りを開いたとされ、菩提樹の葉がハート型のためにお釈迦様に関係する場所には猪目が多く施されているようです。
しかしなぜ猪?もう少し解説してみます。
「猪目」は古墳時代の倒卵形鐔(とうらんがたつば)でも見られる!
倒卵形鐔(とうらんがたつば)とは、日本独特の鐔で6〜7世紀の古墳から出土しています。(画像の鐔は違いますが、こんな感じ)鐔の部分が猪目をしており、当時から魔除けの装飾として刀剣や小刀の刀装飾などで彫られて使われてきました。
飾りの装飾や刀の鐔だけでなく、よく目にするモノにも猪目が施されています。
例えば、神社の賽銭箱の上にある鐘(本坪鈴)はもちろん、巫女が神事の舞で使う手に持っている鈴(神楽鈴)にも猪目が施されています。
時の流れで猪目が忘れられてしまう・・
明治時代になると、外国文化が多く入ってきます。
その時、外来語の「ハート」という呼び方が世間一般へと定着していったために、「猪目」という呼び方が忘れ去られてしまいました。
みなさま宜しければ近くのお寺や神社などで探してみて下さい。
「しあわせ」の猪目
猪目についていかがでしたか?
当事務所はクライアントにとっての「猪目」です。
人の心を大切にし、縁をつなぐ猪目
かかわった方たちに「しあわせ」をお届けします。